「講座を増やしたいけれど、これ以上は開催時間を確保できない」「日程が合わず、受講を見送る人にも学んでもらいたい」
ストアカで講師として活動するなかで、そんな悩みを感じることはありませんか。
教える機会を広げる方法のひとつが、動画教材の販売です。一度収録した教材は、開催日時を設定せずに届けられます。学ぶ人も、自分の都合に合わせて視聴し、わからない部分を繰り返し確認できます。
しかも、すでに講師として活動している方には、教材づくりに役立つ経験があります。初心者がどこでつまずき、どんな説明をすると理解しやすいのか。その積み重ねが、動画教材の中身になります。
この記事では、ストアカで培った指導経験を生かし、フィルミーで動画販売を始めるまでの手順を紹介します。
1. まず、ストアカの講座と動画販売の役割を整理する
リアルタイムの講座には、相手の反応に合わせて説明を変えたり、その場で質問に答えたりできる強みがあります。一方、動画教材は、同じ内容を自分のペースで学びたい人に向いています。
| 学習形式 | 生かしやすい強み | 教材・講座の例 |
|---|---|---|
| リアルタイムの講座 | 質問への回答、個別の助言、実践へのフィードバック | 発音指導、作品への講評、操作の疑問解消 |
| 録画した動画教材 | 基礎の反復、手順の確認、好きな時間での学習 | 基本操作、制作手順、練習用レッスン |
動画教材にする内容は、講師がその場にいなくても学習を進められるものを選びましょう。たとえば、写真講師なら「自分の写真への講評」はリアルタイム、「カメラの基本設定」は動画、と整理できます。
なお、販売を始める前に確認しておきたいのが、ストアカのルールです。ストアカ先生ガイドラインでは、ストアカを外部サイトの予約申込口へ誘導する広告として使う行為などが禁止されています。また、録画動画の送付や動画サイトのURL案内だけで完結する形式は、ストアカのオンライン講座として開催できません。
本記事では、ストアカで得た指導経験を教材づくりに生かし、動画商品の販売・集客は自分で用意した経路で行うことを前提にします。講座ページやメッセージを外部商品の販売誘導に使う計画は避け、具体的な運用に迷う場合はストアカの最新ガイドラインや窓口で確認してください。
2. 最初の商品は「よく聞かれる質問」から選ぶ
最初から、専門分野のすべてを網羅した大きな講座を作る必要はありません。まずは、受講者から繰り返し聞かれる質問を思い出してみましょう。
- 毎回、説明に時間がかかる操作
- 初心者が同じところで間違える手順
- 自宅で練習するときに忘れやすいポイント
- 本題に入る前に必要になる基礎知識
そこから、ひとつの課題を解決する教材を選びます。
| 教えている分野 | 最初の動画商品の例 |
|---|---|
| Excel | 売上表を作りながら覚える、基本関数の使い方 |
| 英会話 | 海外旅行で使う、ホテルのチェックイン練習 |
| 料理 | 初心者向け、だしの取り方と味付けの基本 |
| 写真 | 室内で料理を明るく撮るための設定と光の使い方 |
| ハンドメイド | 初めての小物づくりを、材料準備から完成まで |
| プレゼン | 伝えたい内容を、3分の発表にまとめる手順 |
「初心者向け写真講座」よりも「室内で料理を明るく撮る方法」のほうが、誰に向けた教材で、何ができるようになるのかを伝えやすくなります。
企画するときは、次の一文を埋めてみてください。
「○○に困っている人が、この動画を見ると△△できるようになる」
この一文が具体的になると、撮影する内容も販売ページの説明も決めやすくなります。
3. ライブ講座の内容を、動画だけで学べる構成にする
ライブ講座では、受講者の表情や質問を見ながら説明を補えます。動画教材では、そのやり取りがありません。つまずきそうな箇所を先回りして説明する構成が必要です。
たとえば「Excelで売上集計表を作る」という教材なら、次のように分けられます。
- 完成する表を見せ、今回できるようになることを説明する
- 必要なデータと、使う機能を確認する
- 基本操作を実演する
- 間違えやすい箇所と、直し方を紹介する
- 練習課題と、完成例を示す
最初の教材は、合計30〜60分程度をひとつの制作目安にしてもよいでしょう。内容に合わせて短くまとめ、1本につきひとつの操作やテーマを扱うと、見返す場所も探しやすくなります。
長さを増やすために説明を足す必要はありません。購入者が目標を達成するために必要な内容が揃っているかを基準にします。
実際の受講者の顔や声が入る講座録画を使うより、まずは講師だけで教材用に撮り直すと構成を整えやすくなります。受講者の映像・音声や第三者の資料を使う場合は、販売・配信に必要な許諾を確認してください。
4. スマホや画面収録で、短い試作品を作る
撮影機材を揃える前に、まずは3〜5分の試作品を作ってみましょう。
料理やハンドメイドなど、手元を見せる教材はスマートフォンで撮影できます。Excelやデザインツールなどの操作説明なら、パソコンの画面収録と音声で制作できます。
試作品で確認したいのは、次の3点です。
- 声が聞き取りやすいか:環境音や反響が大きくないか、説明の音量が安定しているか
- 見せたい部分が見えるか:手元が隠れていないか、操作画面の文字が小さすぎないか
- 一緒に進められるか:手順を飛ばしていないか、考えたり操作したりする余裕があるか
特に、購入者がスマホで見る可能性を考え、小さい画面でも確認しておくと安心です。
編集は、不要な待ち時間や言い直しを削るところから始めれば十分です。操作名や注意点を必要な箇所に表示し、説明を追いやすくしましょう。派手な演出よりも、学習に必要な部分をはっきり見せることを優先します。
5. 価格は、学べる内容と対応範囲を決めてから設定する
動画教材の価格を決めるときは、収録時間だけで判断しないことが大切です。
「どんな課題を解決できるか」「誰に向けた内容か」「質問への対応が含まれるか」によって、提供する価値と運営の負担が変わります。
たとえば、次のように商品内容を整理してから価格を考えます。
- ひとつの操作や技法を学べる、短い教材
- 完成までの手順を一通り学べる、基礎教材
- 複数のテーマをまとめた、動画セット
質問への個別回答や添削を含める場合は、対応期間・回数・方法も決めておきましょう。動画の販売後も無制限に対応する設計にすると、講師の作業時間が増えてしまいます。
また、販売価格と受け取れる金額は異なります。フィルミーでは、販売金額の20%の利用手数料に加え、その手数料にかかる消費税、決済手数料、精算時の振込手数料などを考慮する必要があります。価格を決める前に、利用料金・売上管理の案内を確認し、制作や問い合わせ対応の負担も含めて検討してください。
6. フィルミーで販売ショップを用意する
動画を販売するには、商品を紹介するページに加えて、決済や購入後の視聴の仕組みが必要です。これらを自分で一から開発する代わりに利用できるのが、動画販売サービスのフィルミーです。
フィルミーの無料プランは、初期費用・月額費用0円で、合計4GBまでの動画を販売できます。 販売時には手数料がかかり、容量を超えて利用する場合は有料プランへの申し込みが必要です。小さな教材から販売を試したい講師にも取り入れやすい仕組みです。
販売方法には、レンタル、ダウンロード、月額見放題があり、複数動画のセット販売も可能です。最初は、用意した教材の内容に合う販売方法を選びましょう。月額見放題を選ぶ場合は、継続して提供する内容や更新方針も考えておく必要があります。
ショップの準備では、次の順で進めると整理しやすくなります。
- ショップ名と講師の紹介文を用意する
- 動画をアップロードする
- 商品名、説明文、価格、販売方法を設定する
- 視聴条件や問い合わせ先などの案内を整える
- 公開前に、商品ページの表示や動画の再生を確認する
販売方法や料金の詳細は、フィルミー公式サイトとプラン案内で確認できます。
7. 販売ページには「購入後にできること」を書く
購入を検討している人は、「自分に必要な教材か」「今の知識でついていけるか」を知りたいと考えています。
販売ページには、少なくとも次の内容を記載しましょう。
- 対象者と、受講前に必要な知識
- 視聴後にできるようになること
- 各動画の内容と、合計の収録時間
- 必要な道具・ソフトと、使用しているバージョン
- 視聴期間やダウンロードの可否
- 質問対応・添削の有無と、その範囲
たとえば、料理の教材なら「料理の基本を丁寧に解説します」だけでは、内容が伝わりにくいかもしれません。
「だしの取り方、味噌を入れるタイミング、具材を加える順番を実演。初めてでも、2人分の味噌汁を作れるようになる教材です」と書けば、学べる内容を想像できます。
講師の実績も、教えた分野や指導経験などを具体的に記載します。受講者の声やレビューを転載する場合は、掲載の許可や利用条件を確認してください。
8. 自分のブログなどから、必要としている人に届ける
フィルミーでショップを作ったら、次は商品を見つけてもらうための取り組みです。ショップを公開するだけで、購入者が集まると考えないようにしましょう。
最初から多くの媒体を使う必要はありません。自分が継続できる発信方法を選びます。
たとえば、ブログなら「室内で料理写真が暗くなる原因」を解説し、関連する動画教材を紹介できます。YouTubeなら基本操作の一部を公開し、完成まで通して学びたい人に教材を案内する方法があります。自分のサイトなどで配信への同意を得たメール読者に、新商品の内容を知らせることも考えられます。
無料の発信でも、読者の疑問にきちんと答えることが大切です。そのうえで、有料教材には「順序立てて学べる」「実演を繰り返し確認できる」「ひとつの成果物を完成させられる」といった価値を持たせましょう。
ストアカの受講者情報を外部商品の案内に転用したり、講座を販売目的の集客に使ったりすることは避け、自分の発信経路で販売を育てていきます。
まずは、ひとつの悩みに答える教材から
ストアカで講師として教えてきた経験は、動画教材を作るための土台になります。受講者がつまずく箇所を知り、説明の順序を工夫してきたことが、そのまま教材づくりに役立ちます。
最初の目標は、大量の動画を揃えることではありません。ひとりの学習者の、ひとつの困りごとを解決する教材を作ることです。
テーマを絞り、短い試作品を撮り、内容と販売ページを整えて公開する。販売後は、寄せられた疑問を参考に説明を改善していきましょう。
初期費用・月額費用を抑えて動画販売を試したい方は、フィルミーの無料プランから始めてみませんか。
※サービスの料金・仕様、ストアカのガイドラインに関する記述は2026年10月15日時点の公式情報をもとにしています。利用前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。


