「練習場では打てるのに、コースに出るとスコアがまとまらない」
生徒から、こんな相談を受けたことはありませんか。
実際にラウンドを見てみると、難しい場所から無理にグリーンを狙っていたり、ミスが続いた直後に取り返そうとしていたりする。スイングの課題に加えて、ショットの前の選択に改善の余地があるケースもあるでしょう。
こうしたときに役立つのが、コーチの「判断」を伝える動画講座です。
ボールの位置、周囲の状況、生徒の得意・不得意を見て、どこを狙い、どのクラブを選ぶか。その考え方を教材にすれば、コースでの指導経験を動画商品にできます。
この記事では、ゴルフコーチに向けて、コースマネジメントをテーマにした動画講座の企画方法と、フィルミーで販売するまでの進め方を紹介します。
生徒が知りたいのは「この場面でどうすればいいか」
ラウンド中、生徒は何度も選択を迫られます。
- ティーショットで、どのクラブを使うか
- グリーン手前の池を越えるか、刻むか
- 林の中から、どこまで出そうとするか
- ピンを狙うか、グリーンの広い場所を狙うか
- ミスの直後に、次の一打をどう組み立てるか
コーチにとっては自然な判断でも、生徒には「何を基準に決めればよいのか」が分からないことがあります。
ここには、動画講座のテーマがあります。
たとえば「コースマネジメントの基本」と広くまとめるよりも、「林に入った後の一打で迷う人向け」「池越えで無理をしてしまう人向け」と、困る場面を具体的に設定します。
購入する人が、自分のラウンドを思い浮かべられることが大切です。「次のラウンドで、あの場面に出合ったら見方を変えられそう」と感じてもらえる講座を目指しましょう。
商品にするのは、コーチが結論に至るまでの考え方
判断を教える動画では、「この場面では7番アイアンを使います」という結論だけでは、別のコースで応用しにくくなります。
伝えたいのは、その結論に至った理由です。
たとえば、次のように説明します。
「グリーンまでは届く距離ですが、手前に池があります。この生徒は、同じクラブでも飛距離のばらつきが大きい。今回は池越えを狙わず、次のショットを打ちやすい場所に運ぶ選択を考えます」
この説明なら、生徒は距離だけでなく、自分のショットのばらつきや、次の一打の状況も見る必要があると分かります。
さらに「どんな条件なら狙ってよいと考えるか」まで示すと、判断の幅も伝わります。ライが変わる、風が変わる、使えるクラブが変わる。その違いによって選択がどう変わるのかを見せることが、教材の中身になります。
普段のラウンドレッスンで頭の中で行っている比較を、言葉と図にして取り出してみましょう。
「状況を見る→選ぶ→理由を知る」で動画を構成する
コースマネジメント講座は、視聴者が自分でも判断する時間を入れると、参加しながら学べる構成にできます。
一本の動画を、次の順番で組み立ててみてください。
1.判断に必要な条件を示す
コースの写真や図を見せ、残り距離、ボールのライ、障害物、風などを説明します。
想定するゴルファーの条件も必要です。得意な距離やミスの傾向が異なれば、同じ場所でも選び方は変わるからです。
「残り距離は同じでも、人によって選択は変わる」という前提を、最初に共有します。
2.二つか三つの選択肢を出す
たとえば、グリーンの右側にバンカーがある場面なら、「ピン方向を狙う」「グリーン中央を狙う」「手前に運ぶ」といった選択肢を用意します。
ここで動画を一時停止してもらい、自分ならどうするか、理由も含めて考えてもらいます。特別なクイズ機能を使わなくても、映像内の問いかけで実施できます。
3.各選択肢の利点とリスクを比較する
一つを正解として示す前に、それぞれの選択で何が起こり得るかを説明します。
成功した場合だけでなく、少し短かった場合、右に外れた場合なども図で示すと、判断の根拠が伝わりやすくなります。
4.条件を一つ変えて、もう一度考える
最後に、風向きやボールの位置などを変えます。
「今度は向かい風になったら?」「同じ場所でも、ライが悪かったら?」と問いかけ、選択が変わる理由を説明します。
似た場面を比較することで、視聴者が特定の答えを覚えるだけでなく、判断に使う条件へ目を向けられる構成になります。
最初の講座は「一つの場面」に絞る
最初から18ホール分の教材を作る必要はありません。生徒からよく相談される場面を一つ選び、数本の短い動画にまとめてみましょう。
たとえば、次のような企画が考えられます。
| 講座のテーマ | 取り上げる場面 | 視聴後に目指すこと |
|---|---|---|
| 林からのリカバリー判断 | 木の間に隙間がある、足場が悪い、出口が複数ある | 脱出の確実性と次の一打を比較できる |
| 池越えで迷う人のための選択講座 | 届くか微妙、風がある、ライが悪い | 普段の飛距離のばらつきも含めて判断できる |
| グリーン周りの狙い場所 | ピンが端にある、手前にバンカーがある | 外れた後の状況も考えて狙いを決められる |
| ラウンド後の振り返り講座 | 同じホールで繰り返し崩れる | 打ち方と選択を分けて振り返れる |
対象を絞ると、講座名も説明文も具体的になります。
「すべてのゴルファーに向けた総合講座」よりも、「林に入ると一気にスコアを崩してしまう人のための4本」のほうが、誰に役立つ商品なのかを伝えやすくなります。
企画例:林に入った後の判断を学ぶ、全4本の講座
実際の商品をイメージできるように、構成例を紹介します。以下は講座づくりのための例で、特定の指導理論や成果を保証するものではありません。
第1回:打つ前に確認したい条件
ボールと木の位置だけでなく、足場、スイングできる範囲、打ち出した先の状況を確認します。映像や図に番号を付け、どの順番で見るかを説明します。
第2回:隙間が見える場面での考え方
木の間に通せそうな場所があるケースを取り上げます。狙う選択と、広い出口へ出す選択について、成功した場合と失敗した場合を比較します。
第3回:出した後の一打まで考える
林から出す方向が複数ある場面を用意します。「出せるか」に加え、その後にどんなショットが残るかを考える内容にします。
第4回:条件の違う3ケースを自分で判断する
ここまでの内容を使い、視聴者が選んでから解説を見る形式にします。最後には、次のラウンドで確認する項目を三つ程度に絞って示します。
各動画は、テーマに応じて5〜8分程度に収める案も考えられます。長さをそろえることよりも、一つの判断を無理なく説明できる区切りを優先しましょう。
コースで大がかりな撮影をしなくても教材は作れる
判断を伝える動画は、コース全体を映したラウンド映像がなくても制作できます。
自分で作成した簡単なホール図に、ボール、木、池、狙い場所を配置する。その図を指しながら、コーチが考え方を説明する方法でも始められます。
図はきれいに描き込むよりも、比較したい条件が一目で分かることを優先します。「この方向に外すと何が残るか」を線や矢印で示すだけでも、説明を補えます。
実際のコース写真を使う場合は撮影・利用条件を確認し、他社のコース図や放送映像などを無断で転載しないようにしましょう。
生徒の経験を題材にするときも、本人が特定されない架空のケースに組み替えれば、判断のポイントに集中した教材を作れます。
販売ページでは「何を判断できるようになるか」を伝える
販売ページに「全4本・約30分」と書くだけでは、購入後の使い道が十分に伝わりません。
対象者、扱う場面、学べることを具体的に説明します。たとえば、次のような文章です。
林に入った後、「隙間を狙うか、横に出すか」で迷ってしまう方へ。ボールの位置や出口の広さ、次の一打を比較しながら、自分に合った選択を考える動画講座です。状況の異なるケースを使い、コーチが判断する順番と理由を解説します。
そのうえで、購入前に知っておいてほしい内容も記載します。
- どのくらいの経験を持つゴルファーを想定しているか
- 各動画で扱うテーマと収録時間
- 視聴期間や販売形式
- 個別のスイング診断や添削が含まれるか
「必ず100を切れる」などの結果を約束する表現よりも、講座で提供する内容を具体的に示すほうが、購入者との認識を合わせやすくなります。
最初の案内先は、普段教えている生徒から
このタイプの講座は、実際のレッスン中の会話から案内できます。
「今日は林に入った後の判断で迷う場面がありましたね。条件の違うケースを比較できる動画講座を用意しているので、復習したい場合は見てみてください」
生徒の課題と講座のテーマがつながっていれば、なぜその動画を案内するのかが明確になります。
視聴後は、「どの場面が自分に近かったか」「解説を聞いても迷った条件は何か」を聞いてみましょう。その答えは、説明の修正や追加教材の企画にも使えます。
また、次の対面レッスンで実際の判断を一緒に振り返れば、動画と個別指導をつなげられます。共通する考え方を動画で学び、本人の傾向に合わせた調整を対面で行う設計です。
フィルミーで、テーマ別のゴルフ動画講座を販売する
フィルミーは、自分の動画販売ショップを開設できるサービスです。
無料プランでは初期費用・月額費用0円で始められ、動画が売れたときに販売手数料がかかります。無料プランの動画容量は4GBまでで、容量追加などに対応する有料プランも用意されています。
複数動画のセット販売にも対応しているため、今回のような「林からの判断を学ぶ全4本」を、一つの講座としてまとめて案内できます。レンタル販売や月額見放題など、内容に応じて販売方法を選ぶことも可能です。
初めて取り組む場合は、一つのテーマを完結させた講座を用意し、生徒の反応を確かめながら、池越え、グリーン周り、ラウンドの振り返りへと広げていく方法が考えられます。
いきなり多くの動画を用意するよりも、「この場面なら、何を見て考えるか」を丁寧に伝える一本から始めてみてください。
次のラウンドに持ち帰れる、判断の教材を作ろう
コーチが長年の経験から身につけてきた状況の読み方は、生徒が学びたい内容の一つです。
どこを見るのか。どんな選択肢を比べるのか。条件が変わったら、何を考え直すのか。
普段のラウンドレッスンで説明していることを、一つの場面に絞って動画にしてみましょう。コースに同行できない時間にも、生徒が考えるための教材を届けられます。

