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私たちの家は、干からびました。
それでも今日も、シトシトと不純物混じりの雨が降り続けている。
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汐が引いて篩(ふるい)にかけられた後、どこもかしこも砂漠化が進んでいる。
駅も、学校も、公園も、家庭も。
我が家なんてものは、そんなに確かなものなのか。
ある夫は、自転車で家を出たまま戻らず営業に赴き、
あるボランティア一行は、自分たちの家を空けたまま、その地から離れられず、
ある姉妹は、家を飛び出し、たまたま出会った男と地下室で過ごす羽目になり、
また、ある弟は姉に同行し、姉の代わりにはぐれた姉の夫を捜している。
一方、残された地元民は、瓦礫の山となった自分たちの土地を片付けている。
帰るべきか、またはここに残って新しい我が家を作るか、
地続きでないこの国で新天地を目指すことはできるのか。
そこがダメだったら今度はどこへ行こう?