令和2年8月23日
於:国立文楽劇場
立方:山村友五郎 山村若 山村侃
地唄:菊原光治 菊寺智子 菊萌文子
鳴物:藤舎呂浩 藤舎呂英 藤舎呂近 望月太津寿郎 望月太八紀 藤舎華生
享保期の歌舞伎名女形、瀬川菊之丞の芝居に在った踊りの部分が地唄に残った曲と考えられています。遊女が霊となって現れ、恨みを述べたのち獅子の精に変化するという形で『鏡獅子』等『石橋物』の原点のような作品と云えます。
後半は、能『石橋』から取られ、獅子が牡丹に戯れる姿が描かれます。
山村流ではこの後半を四世宗家・若の振付で格調高い「祝儀物」に仕立てられた、
地唄「石橋」が伝承されていました。
全曲は平成二十四年(二〇一二)に舞扇会にて友五郎が振付・初演し、平成三十年の第一回「友五郎の会」でも舞わせていただきました。前半は「座敷舞」仕立てで後半は「能」に近づけた振付となっています。地唄ではありますが劇場に即した形で後半は、三人の獅子となって華やかに邪気を祓い舞い納めさせていただきます。